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白川 敏彦*; 金澤 康夫*; 畑中 耕一郎
JNC TN8400 2001-012, 69 Pages, 2001/04
地層処分研究の天然バリア中の核種移行に係わる不均質岩盤中における巨視的分散現象を解明するために、多孔質媒体水理トレーサー試験装置(以下、「MACROII」と記す)を用いて、多孔質媒体槽内にガラスビーズを用いて不均質場を人工的に作成し、種々の条件を設定したうえで、数多くのトレーサー試験を実施してきた。今回は室内試験における分散長のスケール依存性を調べることを目的として、媒体槽を水平状態に固定し、不均質場の任意の位置に設置した単一孔を使用して注水・揚水型トレーサー試験を実施した。試験は、不均質場内に設置した注水・揚水型トレーサー試験に使用する単一孔の位置及び注入流量・注入時間を変えることによって、2地点において各々9ケース、6ケースの全15ケースを実施した。本試験で測定された揚水時の破過曲線を解析解でフィッティングし、巨視的分散長を算定した結果、15ケースのうち12ケースについて不均質場を代表する分散長を得ることができた。算定した分散長、注入・揚水流量および不均質特性の関連について検討した結果、以下の事項が判明した。・算定された分散長と単一孔周辺に広がった濃度フロントの平均半径との関係は、濃度フロントの平均半径が大きくなるにしたがって分散長がほぼ単調増加する傾向が確認できた。・トレーサーを注入・揚水する単一孔を2地点選び試験を実施したが、単一孔周辺の透水性が小さくなっている場合には分散長は大きくなり、単一孔周辺の透水性が大きくなっている場合には分散長は小さくなる傾向が確認された。・フィッティングの精度が悪く分散長が算出できなかった3ケースについては、濃度フロントに分散が著しく小さい箇所が存在する可能性があることがわかった。
小川 弘道; 向井 雅之; 大貫 敏彦; 山本 忠利
JAERI-M 90-065, 11 Pages, 1990/03
自然の通気砂層から未攪乱状態で採取した土壌層試料に対する放射性核種移動試験の結果から水流速、分散長および遅延係数を決定し、土壌特性値および試験条件から推定された水流速、分散長および遅延係数と比較した。核種移動試験における分散長は、土壌特性値から推定した値と同程度であったが、水流速は、土壌特性値および試験条件から推定した値よりもやや大きかった。Csの遅延係数は、土壌特性値から推定した値とほぼ同程度であったが、CoのおよびSrの遅延係数は、土壌特性値から推定した値の数倍から数十倍になった。